IFToMM(イフトムと発音します)は International Federation for the Theory of Machines and Mechanisms の略称です.1965年にBulgariaのVarnaで最初に開催された1st World Congress on Theory of Mechanism and Machine(機構と機械の理論に関する国際会議)において提案され,4年の討議を経て,1969年に機構と機械の理論に関する国際的学術組織として創立されました. 現在に至るまで我が国を含め世界の40カ国が加盟しており,それらの国で機構学,機械運動学,ロータダイナミックス,機械の振動騒音,バイオメカニズム,ロボット・マニピュレータ,メカトロニクス,マイクロメカニズム,CAD,油空圧 およびエレクトロニクスにいたる機械工学の全般にわたる分野の教育,研究に携わる研究者,技術者の幅広い国際交流の場として運営されています.我が国では,米国のASMEやIEEEなどの学術団体がよく知られていますが,特にヨーロッパではもっとも権威のある機械工学系の学術団体として確立されており,また活発に活動しています.
その活動範囲は,学術分野のみならず,科学史,教育方法,産業界への応用など広い分野に及んでおり,また,発展途上国援助のための研究者,技術者の斡旋,派遣などの活動も活発に行っています.
最大の学術交流の場であるIFToMM World Congress(IFToMM世界会議)は4年に一度開催され,各種委員会の会議,研究論文発表が行われ,専門家間の親睦がはかられています.ちなみに2019年のポーランド,クラコフ市で開催された第15回大会には世界の約50カ国からの参加があり, 我が国からも多くの論文が発表され,ますますこの会議の重要性が認識されています. それ以外にも,CISM-IFToMM Symposium on Robot Design Dynamics and Control(RoManSy)やInternational Congress on Mechatronics やInternational Workshop on Computational Kinematics などのIFToMM主催・共催の国際シンポジウムは毎年数回各地で開かれており, それぞれの新しい研究動向は認定された学術雑誌“Mechanism and Machine Theory (MMT)”により世界中に伝達されています.
創立以来30余年が経ち,取り扱う分野が「機構と機械の理論」に限らず,機械工学関連の広い分野に拡大したことから,組織名称の見直しが行われました. 創立に至る経緯や機構や機械の工学技術の現状と将来展望を見据えて,組織名称をInternational Federation for the Promotion of Mechanism and Machine Science と発展的に変更することとなりました. しかしながら,組織の略称は歴史的経緯と培われた知名度を考慮して,IFToMMを継承していくこととなりました. 今後は,IFToMM: International Federation on the Promotion of Mechanism and Machine Science と称します. ともあれ,IFToMMは機械工学の進歩とともに発展的に変貌しつつある,もっとも権威ある国際的学術団体とご認識いただきたく存じます.
IFToMMの国際組織の詳細については,公式WEBサイト:
https://iftomm-world.org/
をご参照ください.